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売上は伸びているのに資金が不安なとき、最初に整える4つのこと

執筆者の写真: 松本 裕之
松本 裕之
3月31日
読了時間: 4分

売上は伸びている。現場も回っている。それなのに、お金のことがいつも不安。そういう会社は少なくありません。原因は、多くの場合、利益が出ていないことではなく、数字が見えていないことにあります。


先日、農業を営むお客様と打合せをしました。先代から事業を引き継いだあと、売上は大きく伸びています。一方で、資金繰りと納税額が見えない状態でした。この記事では、こうしたときに最初に整える4つのことをご紹介します。


守秘義務の観点から、お客様が特定されないよう内容を一部加工しています。


売上が伸びるほど、お金は不安になる

売上が伸びているのに不安になるのには、理由があります。


  • 売上が増えると、仕入れや経費の支払いが先に増えます。入金はそのあとです。

  • 利益が増えると、税金も増えます。税金は決算のあとにまとめて納めるので、利益が増えた年ほど、あとから大きな支払いが来ます。

  • 借入の返済は、経費にはなりません。利益が出ていても、返済の分だけ手元のお金は減ります。


売上が小さいうちは、通帳の残高を見ていれば足りました。売上が伸びると、感覚だけでは追いつかなくなります。いわゆる「どんぶり勘定」の限界です。


今回のご相談

お客様は、先代から事業を引き継ぎ、借入の返済を続けながら、規模を広げてこられました。現場は回っています。けれども、経営の面では次のような状態でした。


  • 月々の数字がまとまるのが遅く、いまの利益が分からない

  • 資金繰りと、今期の納税額の見通しが立たない

  • その結果、銀行への相談が後手に回る

  • 経営の判断に時間がかかる


「現場は回っているが、経営は不安定」という状態です。


最初に整える4つのこと

1. 月次の試算表を、翌月10日までにまとめる

2か月前、3か月前の数字では、判断に使えません。まず、毎月の試算表を翌月10日までにまとめることを目標にします。


そのために、請求書や領収書をいつまでに集めるか、誰が入力するかを決めます。最初から完璧を目指す必要はありません。大切なのは、早く出すことです。


2. 資金繰りの計画と実績を、毎月比べる

これから半年から1年の、入ってくるお金と出ていくお金を、月ごとに並べます。そして毎月、計画と実績を比べます。


お金が足りなくなる月が先に分かれば、銀行に早めに相談できます。農業のように、入金の時期が特定の季節に偏る事業では、とくに大切です。


3. 今期の納税額を、決算の前に試算する

期の途中で、今期の利益と納税額の見込みを出します。納税のお金を、あらかじめ取り分けておくためです。


決算が終わってから税額を知るのでは、打てる手がありません。早めに試算しておけば、設備投資などの判断も、間に合う時期に検討できます。


4. クラウド会計で、入力を自動にする

銀行口座やクレジットカードの明細を、会計ソフトに自動で取り込みます。手で入力する量が減り、試算表を早く出せるようになります。


もうひとつの効果は、特定の人にしか分からない状態をなくせることです。社長と税理士が、同じ数字を同じ時に見られるようになります。


4つを整えると、何が変わるか

  • 銀行に、こちらから先に相談できるようになります。

  • 投資や採用の判断が早くなります。

  • 納税の時期に慌てなくなります。


経営が、感覚で決めるものから、数字を見て決めるものに変わります。


税理士の役割は、決算書を作ることではありません

税理士の役割は、決算書を作ることではなく、経営者が「次の一手」を打てる状態をつくることだと考えています。


当事務所の税務顧問では、申告を正確に行うことに加えて、毎月の数字を経営に使える形でお渡ししています。会社が伸びているか、どこに手を打てば利益が出るか、儲けたお金がどこへ行ったかが分かる月次決算書も、ご用意しています。


まとめ

  • 売上が伸びているのに不安なのは、数字が見えていないからです。

  • 最初に整えるのは、月次の試算表、資金繰りの計画と実績、納税額の試算、クラウド会計の4つです。

  • 数字が見えれば、銀行への相談も、経営の判断も早くなります。


「売上は伸びているのに不安がある」「借入や税金に追われている」「数字が見えず、判断に迷う」という方は、当事務所の無料相談をご利用ください。


この記事は、一般的な考え方の説明です。進め方は、会社の状況によって変わります。


この記事は、2026年3月31日に Facebook へ投稿した内容を、ブログ用に書き直したものです。


この記事を書いた人

松本 裕之(税理士)

松本裕之税理士事務所(広島市中区)代表。中国税理士会所属、税理士登録番号 第104810号。2006年に税理士登録、2013年に開業。税務顧問のほか、月次決算と経営計画、融資支援、国際税務、事業承継を扱っています。

 
 

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