創業したばかりの社長に伝えた「想い」と「数字」の両輪|創業期に整える3つのこと

経営は「両輪」で進む、と私は考えています。片方の輪は、社長の想いと、目指す未来の姿です。もう片方の輪は、それを実現するための計画と、数字の管理です。
先日、創業して間もない経営者の方と面談をしました。さまざまな経験を重ねたうえで、「自分の会社で世の中に問いかけたい」と挑戦を決められた方です。この記事では、そのときにお伝えしたことをご紹介します。
守秘義務の観点から、お客様が特定されないよう内容を一部加工しています。
経営は「両輪」で進む
想いの輪:なぜこの事業をやるのか。どんな会社にしたいのか。
数字の輪:そのために、いつまでに何をするのか。お金は足りるのか。
想いだけでは、お金が続きません。数字だけでは、どこへ向かうのかが分からなくなります。どちらが欠けても、会社は安定して前に進めません。経営者は、この両方を追いかけ、両方を動かしていく立場にあります。
創業期は、想いのほうが先に走る
創業したばかりの時期は、想いの輪が大きく回っています。その一方で、数字の輪は後回しになりがちです。
売上が安定するまでには時間がかかります。その間も、家賃や人件費は出ていきます。
目の前の仕事に追われて、帳簿や領収書の整理が遅れます。
融資を受けた場合は、やがて返済が始まります。
想いが強い方ほど、数字のしくみを早めに整えておくことが大切です。
創業期に整える、数字の3つのこと
1. 手元のお金が何か月もつかを知る
毎月かならず出ていくお金を合計し、手元のお金をその金額で割ります。売上がなくても何か月続けられるかが分かります。
この月数が分かっていると、いつまでに売上を作る必要があるのか、追加の資金を用意するべきかを、早めに判断できます。
2. 最初から、毎月の数字を締める
請求書や領収書をいつまでに、誰が整理するのかを、創業のときに決めておきます。まとめて処理しようとすると、数字が合わなくなり、分からないことが増えます。
毎月の数字が出ていれば、金融機関に追加の融資を相談するときにも、すぐに説明できます。
3. 1年目の利益計画を作り、毎月見比べる
1年目の売上、費用、利益の計画を作ります。そして毎月、計画と実績を比べます。
計画どおりにいかないのは、ふつうのことです。大切なのは、ずれに早く気づき、次の手を打つことです。売上だけを追っていると、気づいたときには利益が出ていない、ということが起こります。
私自身の原点
面談では、その方の真剣な姿勢が強く印象に残りました。面談のなかで、顧問のご依頼をいただきました。
私は、自動車メーカーで16年間、エンジニアとして働いたあと、税理士として独立しました。安定よりも挑戦を選んだ、あのときの覚悟を思い出しました。だからこそ、挑戦する経営者の力になりたいと考えています。
まとめ
経営は、想いと数字の両輪で進みます。
創業期は、数字の輪が後回しになりがちです。
手元のお金が何か月もつか、毎月の数字、1年目の利益計画の3つを、早めに整えます。
当事務所は、申告だけを行う税理士事務所ではありません。経営計画の作成、資金調達の支援、金融機関との面談の準備と同席、数字の見える化まで、経営者の右腕として伴走します。創業の準備については会社設立・創業支援のページを、資金調達については融資支援のページをご覧ください。
「創業したばかりで、何から整えればよいか分からない」という方は、当事務所の無料相談をご利用ください。
この記事は、一般的な考え方の説明です。進め方は、事業の内容や状況によって変わります。
この記事は、2026年3月2日に Facebook へ投稿した内容を、ブログ用に書き直したものです。
この記事を書いた人
松本 裕之(税理士)
松本裕之税理士事務所(広島市中区)代表。中国税理士会所属、税理士登録番号 第104810号。一般社団法人融資コンサルタント協会認定 SP融資コンサルタント。2006年に税理士登録、2013年に開業。税務顧問のほか、月次決算と経営計画、融資支援、国際税務、事業承継を扱っています。

