返済が苦しくなったとき、銀行へ行く前に準備する4つのこと|リスケジュールの進め方

返済が苦しくなってきたとき、まず銀行へ相談に行こうと考える方は多いと思います。相談は早いほうがよいのですが、その前に準備しておきたいことがあります。
先日、ある製造業の会社の経営者の方とお会いしました。原材料費の値上がりなどで資金繰りが厳しくなり、金融機関に返済条件の見直し(リスケジュール)をお願いする必要がある状況でした。この記事では、そのときに一緒に取り組んだことをご紹介します。
お客様の了承をいただいたうえで、特定されないよう内容を一部加工しています。
リスケジュールとは
借入金の返済条件を、金融機関と話し合って見直すことです。多くの場合、一定の期間、毎月の元金の返済を減らすか、止めてもらいます。利息は払い続けます。
借入金そのものが減るわけではありません。会社を立て直すための時間をつくる手続です。見直しの期間中は、新しい借入がむずかしくなるのが一般的です。
なぜ、銀行へ行く前に準備が要るのか
金融機関が知りたいのは、次の2つです。
返済を減らせば、資金は回るのか。
その間に、どうやって会社を立て直すのか。
「苦しいので待ってください」とお願いするだけでは、金融機関は判断できません。数字と計画で答えられるようにしてから、相談に行きます。
銀行へ行く前に準備した4つのこと
その経営者の方は、「この先、事業を続けられるだろうか」という不安と、「もっと成長して、正常な経営に戻りたい」という意欲の両方をお持ちでした。最初に行ったのは、いまの数字を丁寧に整理することです。そのうえで、次の4つを準備しました。
1. 3年間の返済と資金繰りの見通しを作る
毎月の入金と支払いを並べ、返済をいくらにすれば資金が回るのかを計算します。今回は3年分を作りました。
この見通しがあると、「毎月いくらなら返せるのか」を、金融機関に数字で説明できます。
2. 売上を増やすための行動計画を作る
返済を減らすだけでは、会社は元に戻りません。売上をどう増やすのか、目標と具体的な行動を決めました。
「がんばります」ではなく、誰が、いつまでに、何をするのかまで書きます。
3. 手をつける順番を決める
販売先の種類ごとに、どう働きかけるかを見直しました。あわせて、単価を上げるための取り組みを並べ、順番をつけました。
人もお金も限られています。すべてを同時には進められないので、どこから手をつけるかを決めておきます。
4. 毎月、数字で確かめるしくみを作る
計画は、作って終わりではありません。毎月の数字を締め、計画と比べ、ずれがあれば次の手を考えます。
見直しの期間中は、金融機関から経過の報告を求められることが多く、そのときにもこの毎月の数字を使います。
相談は、返済が遅れる前に
返済が遅れてからでは、金融機関の見方が厳しくなります。「このままでは数か月後に苦しくなる」と分かった時点で、準備を始めることをおすすめします。
複数の金融機関から借りている場合は、すべての金融機関に、同じ時期に、同じ考え方でお願いするのが基本です。
まとめ
リスケジュールは、会社を立て直すための時間をつくる手続です。
銀行へ行く前に、返済と資金繰りの見通し、売上の行動計画、手をつける順番、毎月確かめるしくみを準備します。
相談は、返済が遅れる前に行います。
税理士事務所というと、税金の計算だけをするところと思われがちです。当事務所が大切にしているのは、経営者が数字を使って、自信を持って前へ進めるようにすることです。
金融機関への説明の準備については融資支援のページを、毎月の数字の管理と経営計画については未来会計コンサルティングのページをご覧ください。
「返済が苦しくなりそうだ」「金融機関に何を持っていけばよいか分からない」という方は、当事務所の無料相談をご利用ください。
この記事は、一般的な考え方の説明です。金融機関の対応は、会社の状況や金融機関によって変わります。
この記事は、2026年6月1日に Facebook へ投稿した内容を、ブログ用に書き直したものです。
この記事を書いた人
松本 裕之(税理士)
松本裕之税理士事務所(広島市中区)代表。中国税理士会所属、税理士登録番号 第104810号。一般社団法人融資コンサルタント協会認定 SP融資コンサルタント。2006年に税理士登録、2013年に開業。税務顧問のほか、月次決算と経営計画、融資支援、国際税務、事業承継を扱っています。

